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思い出の住まいを「ゴミ屋敷」にしないために。今こそ、実家の整理を始めよう
出典 : Martin Novak/Shutterstock.com

思い出の住まいを「ゴミ屋敷」にしないために。今こそ、実家の整理を始めよう

今、「ゴミ屋敷」と化した実家の整理に悩む人が増えているといいます。思い出の詰まった大切な実家がゴミ屋敷に変貌するのを防ぐには、どうすればよいのでしょうか。親と協力しながら、実家にあふれた物を整理する方法について考えてみましょう。

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高齢者の住まいに、ゴミや不用品が増えやすい理由

高齢者の住まいに、ゴミや不用品が増えやすい理由

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お盆や正月に実家に立ち寄るたびに、以前より散らかっていると感じる。積まれている物は不用品にしか見えないうえ、どうやら掃除も行き届いていない・・・見かねて「片付けようよ」と声をかけたら、親が機嫌を損ねてしまった。
このままでは健康にも悪影響を与えそうなのに、親は頑として片付けさせてくれない。物であふれかえった実家と、物を捨てたくない親との狭間で、頭を抱える子ども──少子高齢化・核家族化が進む現代日本では、このような「実家の片付け問題」に翻弄される人が増えています。

そもそも、なぜ高齢者の住む家には、物が増えてしまいやすいのでしょうか。考えられるおもな原因としては、次のようなものが挙げられます。
1 加齢による気力・体力の衰え・・・「昔はきれい好きだったのに、年をとるに従って片付けられなくなってしまった」というケースも多く見られます。
2 周囲に助けを求められない・・・「子どもに迷惑をかけたくない」「年老いたと思われたくない」といった気持ちから、周囲に対して口を閉ざしてしまうケースです。
3 捨てることへの抵抗が強い・・・物が少なく、厳しい時代を生きてきた高齢者は、捨てるという行為そのものに抵抗感を抱くことがあります。

高齢者が物を溜めこんでしまう理由は、どれも仕方のないことばかりです。しかし、だからといって放置するのは禁物。増えすぎた物は、掃除不足や転倒による健康被害につながる可能性があるほか、災害時には避難の妨げにもなり得ます。最悪の場合は「ゴミ屋敷」へと移行する恐れもあり、けっして軽視できません。

取り返しのつかない事態に至るのを防ぐには、できるだけ早い段階で対処することが大切です。「違和感があるな」と感じた時点で、すぐに対策を開始しましょう。

実家の整理は、親と二人三脚で取り組もう

実家の整理は、親と二人三脚で取り組もう

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実家の片付けを行う際にもっとも大切なことは、実家(親の家)と自分の家を混同しないことです。
日頃からこまめに整理整頓を行っている片付け上手な人は、つい自分が普段実践している片付け術を実家にも適用しようとしてしまいがち。しかし、自分のルールだけで片付けを進めようとすると、親との間でトラブルに発展してしまうことも少なくありません。

実家の片付けのゴールは、「モデルルームのような素敵な家にすること」ではなく、「親が安全に、心地よく暮らせる状態に整えること」であると心得ましょう。そして、そのためには、実家に住んでいる親本人の気持ちを確認し、きちんと納得してもらったうえで片付けを進める必要があります。

ここからは、実家の片付けをスムーズに、かつ和やかに行うための具体的な注意点を紹介します。「片付けよう」と切り出す前に一読し、心の片隅に留めてみてください。

実家整理の心得1 親の「思い入れ」を尊重する

実家整理の心得1 親の「思い入れ」を尊重する

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実家に置いて行った自分の持ち物であれば別ですが、そうでない物を「ゴミ」と断定するのは避けましょう。はたから見ればガラクタのように見える物も、親にとっては思い入れのある大切な品物かも知れないからです。
とくに、「こんな物をなぜ取っておくの?」「古い、汚い」「どうせもう使えないのに・・・」といった否定的な言葉をかけるのは禁物。こうした言葉は親の自尊心を傷つけ、片付けに対する気力をますます失わせてしまいます。

実家の片付けの主役は、あくまでも親。必要・不要の判断は、自分ではなく親に行ってもらいましょう。

整理の必要性を上手く伝えるには

中には、「物に対する思い入れはさほど強くないけれど、現在の生活習慣を変えることへの不安が強くて片付けられない」というケースも存在します。このような時は、物にあふれた状態がなぜ良くないのか、片付けによってどのようなメリットが得られるのかを具体的に話してみましょう。

1 こんなに物があると、万が一地震が来た時に危ないよ。防災のために、一緒に片付けよう。
2 床にたくさん物があると、転んでケガをしてしまわないか心配だよ。
3 玄関先が散らかっていると、泥棒や詐欺に遭いやすいと聞いたよ。防犯のために整理してみない?

大切なのは、「より安全に、元気に暮らすために片付けてほしい」という気持ちを伝えること。また、一方的に「整理してあげる」のではなく、「親子で一緒に整理する」という姿勢を忘れないことも重要です。

実家整理の心得2 捨てられない時は、「整える」だけで良しとする

実家整理の心得2 捨てられない時は、「整える」だけで良しとする

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断捨離やミニマリズムがブームとなって久しい昨今では、「整理すること=捨てられる物はとことん捨てて、数を減らすこと」と捉えられがちです。しかし、物の少ない空間に対する印象は、世代によって異なることを覚えておきましょう。子世代にとっては好ましく感じられるシンプルな部屋も、親世代である高齢者の目には「スカスカして寂しい、心もとない」と映る可能性があるのです。

実家を片付ける際、物を捨てる・減らすことを重視しすぎると、親との間に溝ができてしまうことも。日常生活における安全性や掃除のしやすささえ確保できれば、無理に物を捨てる必要はありません。使わないけれど捨てたくない物は、物置や使っていない部屋といった生活に支障のない場所に移動させればOKです。

とはいえ、あまりに物の数が多くて収納しきれない場合は、やはり適度に量を減らさなければなりません。そのような場合は、次のような言葉をかけてみましょう。
1 この中で、一番気に入っている物だけを残してみてはどう?
2 親戚がみんな集まったとしても○人だから、余った分は捨てても大丈夫だと思うよ。
3 もし足りなくなったら、一緒に買い足しに行こう。

片付けを進めていると、意外な思い出話に花が咲いたり、知らなかった親の気持ちに気づかされたりすることも。実家の整理は、大人になった子が親と向き合い、改めて絆を深めるための、貴重なコミュニケーションのチャンスでもあるのです。